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『稲盛和夫塾長 理念』その2

企業文化の重要性


 会社経営において、トップはまず、何のために会社があるのか、

またそのためにはどういう考え方が必要かを明確にし、従業員に示

し、共有していかなければなりません。共有できるかどうかは、そ

れらの経営理念や経営哲学に、従業員が心から共鳴できるかどうか

が鍵となります。経営理念や経営哲学が大義名分にもとづいたもの

であると同時に、従業員の幸福を追求する、社会の発展に貢献する

といった目的を示せば、従業員は心から仕事に打ち込んでくれるよ

うになるはずです。

 また、経営理念や経営哲学を従業員と共有するためには、トップ

の言動、行動が、理念と矛盾しないことが何よりも大事です。

りっぱな理念がありながら、利益至上主義に陥り、不祥事を起こす

企業が後を絶たないのは、トップが矛盾した言動、行動をとってい

るからにほかなりません。

 経営理念や経営哲学は、その企業の風土や文化をつくり出します。

その理念にもとづいて働くことが、会社にとっても、従業員の人生

にとってもすばらしいことだという、そのような企業文化をつくる

ことができれば、会社は飛躍的に伸びていくことができるのです。

   
    日本経済新聞出版社「実学・経営問答 人を生かす」より