TOPICS

『稲盛和夫塾長理念』その5

利他に徹し、

広い視野を持って経営を行う




会社のためという「利他の行い」も、会社のことばかりだと、社会

からは会社のエゴと見える。家族のためという個人レベルの利他も、

家族しか目に入っていなければ、別の視点からすると家族という単

位のエゴと映るかもしれないーしたがって、そうした低いレベルの

利他にとどまらないためには、より広い視点から物事を見る目を養

い、大きな単位で自分の行いを相対化して見ることが大切になって

きます。

たとえば会社だけ儲かればいいと考えるのではなく、取引先にも利

益を上げてもらいたい、さらには消費者や株主、地域の利益にも貢

献すべく経営を行う。また、個人よりも家族、家族より地域、地域

より社会、さらには国や世界、地球や宇宙へと、利他の心を可能な

かぎり広げ、高めていこうとする。

すると、おのずとより広い視野を持つことができ、周囲のさまざま

な事象について目配りができるようになってくる。そうなると、客

観的な正しい判断ができるようになり、失敗も回避できるようにな
ってくるのです。


                「生き方」サンマーク出版より