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平常心を保つ14ヵ条

激しく動き続けているビジネスの世界に生きていく中で、

心を穏やかに整え仕事に立ち向かうために、

呼吸法、食事、入浴など、日々のちょっとした工夫で

平常心を強くする、14のメソッドをご紹介します。


(1)1対2の呼吸をする

人は、不安やストレス、怒りなどのネガティブな感情に襲われた時、
必ず呼吸が浅くなっている。すると、副交感神経の働きが下がり、
平常心を失うだけでなく、血流が滞り、身体の調子まで悪くしてし
まう。そこで、「あ、まずい」と思った時は、1対2の呼吸をする
こと。1で吸って2〜3倍の長さで吐く。別に腹式呼吸など難しい
ことは気にしなくていい。とにかく1で吸って2〜3で吐く。
これを3回繰り返せば大丈夫。

(2)「さけとかめ」を口癖にする

パニックを防ぐには、日頃の危機管理=準備が重要だ。忘れ物とい
うミスを犯してパニックにならないためにも、毎朝「さけとかめ」
(さ=財布。け=携帯。と=時計。か=鍵。め=名刺)を口癖にし
よう。{さけとかめ」と書いた紙を玄関に張っておくのもいい。
さらに手帳には、財布を紛失した際に、連絡すべき銀行やクレジッ
トカード会社の電話番号をすべて書いておく。万が一の時も、一瞬
で平常心に戻ることができる。

(3)水を1日1.5ℓ飲む

脱水症状になると血管が収縮し、副交感神経がガクンと下がる。
熱中症で倒れるのは実は、体内の電解質のバランスが崩れる前に、
脱水症状で血管が収縮して倒れる場合が多いのだ。だから、1日
1.5ℓは水(水分)を補給しよう。理想的な飲み方としては、まずは
朝、1杯の水を飲む。胃腸を動かすと胃・結腸反射で副交感が上が
るので、朝の水は一石二鳥なのだ。また、飲酒の際は特に水を飲む
こと。ワイン1杯につき水1杯、これが理想的。

(4)自然を味方につける


視覚・嗅覚・聴覚をどう味方につけるかでも人生は変わってくる。
特に水、香り、音楽、自然はすべて副交感神経の強い味方。ゴルフ
の横田真一プロが芝の匂いや風の香りを味方ににして復活優勝を遂
げたように、平常心が乱れた時は空を見上げ、風や花の香りをかご
う。人間はひとりで生きているのではない。人間はもちろん自然と
ともに生きているのだ。また、時差による影響も西回り(自転と逆)
で行くほうが自律神経の乱れが少ない。

(5)ゆっくり表情を変えずに淡々と喋る

言葉は速くなると呼吸が浅くなる。すると自分の平常心が乱れるだ
けでなく、聞き手の副交感神経も下げる。だから、会議などで一番
相手を納得させるいい喋り方は、ゆっくり表情を変えずに淡々と話
すこと。ゆっくり話すほど自分が話すべき内容が明確になり、相手
にもよく伝わる。そういう意味では、最高のリーダーとは、事実を
伝えながらも、周りの人に不安を与えず、自律神経を安定させる喋
り方ができる人だ、とも言えるだろう。

(6)一日の終わりに日記を書く

反省し、それを消化することで、人は自律神経が安定する。だから
一日の終わりに、7行前後の日記を書こう(3年日記)。ただし順
番は、最初は一日で一番失敗したこと、最後は一番感動したことに
する。こうすれば暗い気持ちにならず、安眠できる。そして、必ず
手書きにすること。書くことは、実は人間の本能。人間は頭でいく
ら思っても学習しない。手で書いて、目で見て、はじめてインプッ
トされるのだ。だから外国では文書に必ずサインをする。

(7)各季節ごとに1回、血液検査に行く

健康への不安も平常心には大敵。そのためには各季節ごとに1回の血
液検査がベスト。年に1〜2回ではダメ。体調の変化や、稀に癌の
発生を見逃してしまうリスクが一気に高くなるからだ。さらに検査は、
常に信頼できる同じホームドクターにしてもらうこと。そうすれば小
さな数値の変化に気付き、早期に病気を発見できる可能性が高まる。
今、癌をはじめ、ほとんどの病気は早期発見で治る。面倒、怖いと逃
げても不安の解消にはならない。

(8)言葉の勇気を伝える

言葉には人の一生を決めてしまうほどの威力がある。人を安心させる
のに「大丈夫だ」という言葉ほど重要な言葉はない。医師がふたりい
て、骨折患者に、ひとりは「まだ全然くっついてないね」と言う。
もう一人は「まだだけどもうすぐ、大丈夫ですよ」と言う。同じこと
でも患者に与える希望はまったく違う。ひと言で人が生き返ることも
ある。だからリーダーこそ、人に勇気を与え、自律神経を安定させる
言葉を伝えるべきなのだ。

(9)口角を上げて笑う

口角を上げてニコッと笑うと副交感神経の数値がぐんと上がる。また、
笑うことで癌細胞をやっつけるナチュラルキラー細胞まで増える。
ある余命3ヶ月と診断された小児癌の男の子が、父親と世界中に好き
な蝶を追いかける旅に出たら、半年後に癌が消えてしまったという話
もある。本当に好きなことをやって笑っていると、こんな奇跡も起こ
り得るのだ。だから、どんな時でも口角を上げたほうが絶対にいい。
怒って副交感神経を下げても何のメリットもない。

(10)朝、ゆっくりと歯を磨く

“ゆっくり早く”という流れが、自律神経の安定=平常心にはベスト。
その手始めにはぜひ、朝の歯磨きを意識してゆっくりにしてみよう。
そうすれば、そのゆったり安定したいい流れが、一日ずっと続きやす
くなる。それでも仕事中に焦ったり、ストレスを感じた時は、一回、
立ち止まるか、あるいはすべての動作をゆっくりにしてみよう。例え
ば目の前の書類をゆっくりめくるのでもいい。そうすれば、呼吸が自
然に安定する。

(11)15分、40度のお風呂に入る

夜にスムーズに副交感神経を上げることは、安眠熟眠の最大の秘訣。
そのためにベストな入浴法は、ややぬるめの40度のお風呂に10〜15
分入ること。すると、適度に深部体温が上がって、副交感神経が上が
り、末梢の血流がよくなって、ポカポカの状態が長く続く。逆に、43
度などの熱いお風呂に入るのは、医学的には非常によくない。血管が
収縮して、血液がドロドロになる。また、シャワーだけというのも深
部体温を下げるのでダメ。

(12)上を向いて本物の勇気を持つ

悪い流れを断ち切るには上を向くこと。上を向くと気道がストレート
になり、自然に呼吸が安定する。しかしそれでもダメな時は、一歩前
へ出る本物の勇気を持つことだ。昨年、復活優勝を果たした横田真一
プロの18番ホールのセカンドショットも、最後はその勇気で決まった。
上を向き、風の匂いをかぎ、自然の力を借り・・でも最後を決めたの
は「一線を越える勇気」。明治大学ラグビー部の故・北島忠治監督の
「前へ」という言葉はまさに名言なのだ。

(13)ヨーグルトと乳酸菌を摂る

腸は「第二の脳」といわれるぐらい、心と密接な関わりがある。だか
ら腸内環境がよくないと、自律神経の安定はなかなか図れない。つま
り腸内環境を整えることが副交感神経を上げる=平常心を保つ近道な
のだ。そして腸内環境をよくするためのお薦めは、ヨーグルトなどの
発酵食品と乳酸菌。特に病院処方の乳酸菌は効果が高い。腸の働きが
よくなり、結果思わぬダイエット効果をあげるケースも多い。

(14)朝、走らない
朝は一日のうちで一番交感神経が上がる。そこで、体の硬い時にジョ
ギングなどの息が上がる激しい運動をすることは、副交感神経を下げ
るので良くない。ジョギング中に血圧が急上昇して倒れる人が多いの
も、自律神経が乱れ、血管が収縮したゆえのケースが多い。朝のやる
気全開のテンションは、ぜひ仕事のほうに向けるべき。お薦めは、四
季の自然を感じながらの夜の散歩。自然の力と歩くリズムが副交感神
経をより上げてくれる。