TOPICS

稲盛和夫塾長経営理念 その12

  人間として何が正しいか

ー京セラフィロソフィの原点ー




 創業当初、私はいかに経営していけばいいのか、何を基準に

判断していけばいいのかわからず困り果ててしまいました。

しかし、どうせ自分は経営を知らないのだからと原点に戻り、

「人間として正しいことなのか、正しくないことなのか」、

「善いことなのか、悪いことなのか」を基準に判断することに

したのです。

 矛盾があったり、理屈に合わなかったり、また一般に持って

いる倫理観やモラル、そういったものに反するような経営では

決してうまくいかないだろうと考えたからです。

 経営の経験はないけれど、正・不正や善・悪などは、最も基

本的な道徳律であり、子どものころから両親や学校の先生に教

えてもらっていたことなどで、私にもよくわかっているという

自身がありました。

 こうして「人間として何が正しいか」という最も基本的なこ

と、つまり「原理原則」を判断基準として経営を始めたのです。


『果てしない未来への挑戦 京セラグループ50年の歩み』より