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竹中勇 講演記事

夢、目標、志
 
〜それを実現へ結びつけるものは〜



思考は現実化する

 私は高校を卒業して、家具店や兄が経営する印刷会社で営業をしていました。
自分で言うのもなんですが、どこに行ってもトップセールスを記録しました。
しかし、何か虚しさを抱えていまいした。一つには私には学歴がないという
コンプレックスのせいです。
そこで、27才から独学で必死に勉強をしました。
そして「人間には無限の可能性がある」という言葉に出会い、私は変わりました。
 私は稲盛和夫さんの勉強会「盛和塾」の佐賀での代表世話人をしています。
私は二十年前までは稲盛さんの著書の一読者でしかありませんでした。
本を読んで感銘した私は周囲の人に「稲盛さんに会いたい」と、ことある毎に
言っていました。
すると、佐賀に盛和塾を立ち上げる時に声を掛けてもらい、稲盛さんに直接会う
事が出来ました。
それから、「稲盛さんの声を佐賀の皆にも直接届けたい、聞かせたい」と稲盛さん
を含め皆に言い続けました。
そして、今年11月に稲盛さんが佐賀で講演をしてくださる事になりました。
 思い続ければ、思考は現実化します。どうしてかをお話したいと思います。

脳の使用説明書

 人間の大脳には百四十億もの細胞があります。それを人間は一生のうちでどれ位
使っているのでしょうか。平均で3%、よくて5%、ノーベル賞を取るような人
でも10%前後です。脳の90%以上を使い切れないまま人間は死んでいくのです。
 人間の脳は偉大です。脳を使って、人間は月にも行けたし、核をも作ってしまい
ました。しかし、脳の使用説明書なんてありません。
 脳には自分で意識している顕在意識、意識していない潜在意識があります。
潜在意識について色々勉強することで、脳の使用説明書が自分で作れるのです。
 人間の脳は偉大ですが、単純でもあります。それは、実際あった事と創造した事、
つまり実と虚の境目をよく認識できないのです。
例えば、テレビでグルメ番組を見ると、脳の命令で胃液が出て、唾が分泌されます。
実際の食べ物が目の前にないのに脳が錯覚を起こしている訳です。
だから、偉大な脳のその単純さを利用する事で、私たちの脳は更に可能性を広げる
事ができます。
 私は若い頃、高級車に乗りたいという夢がありました。
そしてそれをかなえるために、車種を決め、その車の写真を手帳などいたる所に
貼って、具体的なイメージを持ち、その車を買う目標を立てました。
 夢、目標を具体化し、常に目にする事で、脳に刷り込ませました。
そうする事で、脳はそれを現実と認識して、それに向かって能力を発揮してくれます。
実際に、私は車を手に入れましたし、様々な目標を現実にしてきました。

プラス思考は訓練

 今の時代、ニュースの9割はマイナスのイメージに溢れています。
つまり、私達は情報によってマイナスのイメージにまみれ、脳にマイナスイメージが
刷り込まれていきます。そんな状態では脳は力を発揮できません。
 だからこそ、プラス思考を心がけて、プラスの状態を作り出す必要があるのです。
 それには、訓練、日々の心がけが大切です。
人間は自分を客観的に見る事がなかなか難しいです。
それには訓練が必要です。常に冷静でいられる人は訓練が出来ている人、感情的に
なりがちな人は主観が強い人です。
 人間はプラスに訓練すると変わる事が出来ます。私もプラス思考をするために訓練を
しました。夜中いきなり起こされても笑顔で起きる。いかなる時も、電話で明るく
大きな声で話す。これを繰り返すうちにそれが癖となっていきました。
 また、常にプラスのもので自分を満たす事も大切です。
プラス思考の仲間と付き合う事も一つの方法です。
 人間は、自分がプラスの状況の時は相手をプラスに捉える事が出来ます。
逆に、自分がマイナスの時は相手の事はマイナスに捉えてしまいます。

リーダーに求められる能力

 例えば、商談が決まって、帰宅すると夕飯には好物が並び、テレビをつければ好きな
野球チームが勝っている。
そんな状況の時に子どもが騒いでいると、「うちの子は元気だな」と微笑ましく眺める
事が出来るでしょう。
しかし、逆の状況だとどうでしょう。商談は決まらず、夕飯は用意されていない、
好きなチームは負けている。そんな状況で子どもが騒いでいると、つい怒鳴ってしまう
でしょう。子どもの方はこの前と同じ事をしているのにどうして今日は叱られるのかと
不信感を持ちます。家族の断絶が起きるかもしれません。
これは、家庭でも会社でも同じことです。
 同じ出来事でも自分の置かれている状況によって違うのです。
相手への気持ちによっても自分の気持ちの持っていき方は違います。
社交的な人も嫌いな人だと八方美人と捉える。世話好きだとおせっかい。
今、私のことを元気だと思っている人はプラスの状態、うるさいと思った人はマイナス
の状態ですよ(笑)。
 だからこそ、私達は常にもう一人の自分を意識し、自分が置かれている状況などを
把握する必要があります。これは訓練をせずにはなかなか身につきません。
 叱ったりという感情を表に出す場が必要な時もあるでしょう。これは、叱るという
演技をするのです。叱りながらも、常に客観的に自分をコントロールする。
リーダーに必要不可欠な能力です。
こうやって、常に自分をプラスの状況に置くようにして下さい。

戦略なくして経営ができますか

 戦略について正しい理解をしている人というのは案外少ないです。
戦略と戦術の違いを説明できますか。
 端的に言うと、戦略というのは知恵、戦術というのは技術です。
繁盛している美容室というのは上手なカット技術だけでは駄目ですね。
つまり戦術(技術)だけではなく、そこには戦略が必要なのです。
 戦略というのはリーダー、経営者のためのもの、戦術というのはそこで働く人、
社員のものです。
会社が小さいうちは、社長は戦略、戦術両方で動きます。しかし、会社が大きくなる
につれて、社長が戦略を練り、戦術リーダーを育てていく必要があります。
 佐賀同友会では経営指針作成セミナーを毎年開催しています。そこで私は経営戦略
担当をしています。受講者はそこで戦略を立てていきます。受講後の皆さんの変化には
目を見張ります。それほど、戦略は経営に欠かせないものなのです。

ナンバー1になろう

 そして、戦略には強い者のための戦略、弱い者のための戦略の二つがあります。
そして、その最たるものは「何かでナンバー1になる」という事です。
これは私の師匠である竹田陽一先生から教えてもらいました。
 日本で一番高い山は富士山というのは誰もが知っています。しかし、二番目に高い
山を知っている人は数少ないと思います。
 実際、ナンバー1とナンバー2の間ではかなりの開きがあります。
コンビニ業界でナンバー1はセブンイレブン、ナンバー2はローソンです。
店舗数は5対4とそんなに変わりません。
ローソンは全都道府県にありますが、セブンイレブンがない県は20県ほどあります。
 しかし、利益では4倍もの差があります。それはセブンイレブンの徹底したナンバー1
戦略の賜物です。セブンイレブンはその県でナンバー1になるまで、次の県に出店しない
そうです。そうやって、ナンバー1を増やしていっているのです。
 いきなり日本一というのは難しいでしょう。しかし、業界一番、地域一番という所から
目指していくのは出来るのではないでしょうか。
何かあった時に自分の会社を一番に思い浮かべてもらうようにする。
お金が掛からない事からでも出来ます。一番にお客様の所に駆けつける、一番大きな声で
挨拶をするからでもいいです。そうやって、一番の分野をどんどん増やしていく。
一番になると相乗効果がどんどん出てきます。

商笑勝 志気師

 最後に私の好きな言葉を紹介します。私はこれを25年間、常に口に出しています。
そして、この言葉を家、会社から車のハンドルに至るまで色んな所に貼って、常に自分に
焼き付けてきました。
 その言葉は「商笑勝 志気師」です。「商いは笑顔で勝つ」「志は気の師なり」。
 先ほど、夢、目標の大切さを言いました。
しかし、素晴らしい会社にしたい、素晴らしいメンバーを集めたいというのは、目標
だけではなかなか実現しません。
そこには哲学、理念といった志が必要になってきます。社長になると、この志が求め
られてきます。志がないとやる気は出ませんし、夢、目標も持てません。
 商売に勝つには常に笑顔で、志を持ってモチベーションを上げていきましょう。


              2006年9月佐賀県中小企業家同友会 例会にて
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