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『稲盛和夫塾長 名言集』その6

製造機械が異常な音を出していることがあります。

私はそれはたいへん問題であるとし、

よく「機械が泣いている」と現場の者を叱ったものでした。




 製造機械が異常な音を出していることがあります。私はそれはたいへん問題で

あるとし、よく「機械が泣いている」と現場の者を叱ったものでした。

 普通、機械というものは稼働していればみんな音を発しています。ところが、

新品を買って試運転で動かしたときは心地よい音を発していたのに、使っていく

うちに急に大きな音を出すようになったりします。それは機械に異常が発生して

いるからです。それなのに、機械の動きそのものは変わっていないからと、現場

で異音が無視されているケースが多い。私はそれを問題だと思い、現場の社員に

厳しく注意してきました。

 その習慣が身についているせいか、車に乗っているときでさえも、振動音にし

ろエンジン音にしろ、「いつもの音」と違った音がすれば、私は運転手さんに

「おかしいのではないか」と言います。すると運転手さんは、必ずといっていい

くらい、「いや、いつもと違いませんよ」と返事します。こちらが「だって、昨

日までの音と違うじゃないか」と言っても、変わらないと言い張るのです。

 これは、観察をする人間の感度の違いです。感度が違うものですから、運転手

さんは変わらないと言い、私は変わっていると言う。「調べてみろ」と言って修

理工場で調べてもらうと、ベアリングの玉がひとつ掛けているなど、必ずどこか

に異常が認められます。私は、このような感度は、危険を予知するために非常に

大事だと思うのです。

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