TOPICS

稲盛和夫塾長経営理念 その26

経営に打ち込む

 真の経営者とは、自分の全知全能、全身全霊をかけて経営

を行っている人のことを言います。

 どんなに素晴らしい経営手法や経営理論、経営哲学を頭で

理解していても、真の経営者になれるわけではありません。

 命をかけるくらいの責任感で毎日を生き、その姿勢をどの

くらいの期間続けてきたかということで、経営者の真価が決

まるのではないかと思います。

 経営に対して、自分の全身全霊をかけて打ち込むというこ

とは、大変過酷なことです。もし、そういう打ち込み方をす

るならば、自分の時間も持てないでしょうし、体力的にも精

神的にも耐えられないような重責が続くでしょう。

 しかし、そういう状態を経験し、乗り越えてこなければ、

真の経営者としての資質は、磨かれないのではなかろうかと

思います。

 世間ではよく、トップとナンバー2との間には、天と地ほ

どの差があると言われます。それは、まさに責任を感じて命

をかけて仕事をしてきたか、それともサラリーマン的な存在

として、判断をトップに委ねてきたかの違いだろうと思いま

す。

          
       
    『心を高める、経営を伸ばす』PHP研究所 刊より