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稲盛和夫塾長経営理念その27

ささいなことにも気を込める


 正しい判断ができる人は仕事がよくできる人だと言われます。

 正しい判断をするには、どういう状況にあるかということを、

鋭く観察する必要があります。ものごとの核心に触れるまでの、

鋭い観察力がなければならないのです。

 この鋭い観察を生むのは、精神の集中です。しかし、急に精

神を集中しようと思っても、なかなかできるものではありませ

ん。実は集中するということには、習慣性があるのです。ささ

いなことでも、注意を払って行う習慣がある人は、どんな局面

でも集中できるのですが、そういう習慣のない人は、なかなか

精神のフォーカスを絞れないのです。

 忙しいときにこそ、ささいなことにも気を込めて行うという

習慣をつけるべきです。興味がないものでも、努めて意識を向

けるということをすべきです。これを「有意注意」といいます。

 この日常の有意注意が、「いざ」というときの判断力を左右

します。そして、毎日トレーニングされた注意力と洞察力を身

につけ、研ぎ澄まされた神経をもって、正しい判断ができる人

を、切れ者というのです。


     「心を高める、経営を伸ばす」PHP研究所刊より